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「イントゥ・ザ・ワイルド」見てきました [映画]

2008-9-21.jpg(意訳:「新古今和歌集の部屋」自閑氏)旅(草枕)に出てからずいぶんとたってしまった。都を出てもう幾晩月の下で野宿をしたことだろう。
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 どこでもやっているだろうと、新宿歌舞伎町の映画街に立って、看板を見回して、あっと驚く、どこにもそんなポスターは無い。実話を基にした映画でショーン・ペンが監督したと話題の「イントゥ・ザ・ワイルド」も新宿ではお呼びではありませんでした。

 もともとだいたいの話の筋から、大学をトップで卒業した若者が2年間アメリカを放浪して、最後にアラスカで毒草を食べて最後に死ぬということとか聞いていたので、何だか暗そうな話でいやだなと思っていたが、息子がどうしても見に行きたいというので、しょうがなく付き合うことにした。
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 時間待ちに、日比谷シャンテ・シネの近くのコーヒー屋さんに入って、置いてあった日経何とかという新聞を見てたら、小澤征良という人の映評が載っていて、映画の後半から涙が出て止まらなかったとのこと。

 そして、何より、アラスカの原野がすばらしく、また、そこで最後に死ぬからといって、ただ暗い話ではないと書いてあったので、俄然見る気になった。

 何かのきっかけで人生がいやになって、放浪の旅に飛び出し、どんづまって行くのかなと思っていたら、全然そういう話ではなくて、最初から確信犯で、一切の物を処分し、所持金も焼くのだからそうとうなもの。最初は西に行ったり、東に行ったりしているけど、目的地はアラスカで、そこで自分ひとりの力で生きてみて、そこから見えてくるものを求めていたようだ。

 一見幸せそうな家庭ながら両親との確執があったようだが、それがちょっと出て来すぎのような気がした。実話ながら、本人がすべてを書き残したわけではなく、ジョン・クラカワーという人が、足跡を追って、なるべく事実に忠実に書いた「荒野へ」という本を映画化したものだ。

 ほとんどは自然の中を旅しているけど、途中で都会に出てくる場面があって、アラスカの荒々しい自然の中より、人間のいっぱいいる都会のほうが、映画を見ている私のほうも怖くなったのはどういうわけか。
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コメント 2

ぺんちゃん

自然の中にいるより、群衆の中にいるほうが孤独で冷たいということなのかもしれませんね。
by ぺんちゃん (2008-09-21 20:17) 

quartier

ぺんちゃんさん
自然の中と、群集の中と、どちらが人間の真実を求められるのでしょう。
彼は自然の中で求められると考えたわけですが。
愛よりも名声よりも真実を求めたクリス・マッカンドレス。
それが荒野の中にしか求めようがなかったというところが
切ないと思いました。
by quartier (2008-09-22 06:24) 

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