ジョン・ハート「ラスト・チャイルド」★ [本]
意訳:「新古今和歌集の部屋」自閑氏)難波潟の短い葦の節の間のような短い間も逢わないで過ごせというのですか。今の私にはできそうもありません。
ジョン・ハート「ラスト・チャイルド」★
若い時ははランキングに全く興味がなく、ベストセラーというと敬遠するほうだったけど、年を取ると、そういうとんがった所はサラリとなくなって、皆さんが面白いというものはきっと面白いだろうと考えるようになった。
今年一番のミステリーと「週刊文春」お薦めのジョン・ハート著「ラスト・チャイルド」を読み始めた時は、「どうして人はこの本に惹かれたのだろう」というほうに興味があった。丁度三上博史の『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』をお台場のZOOに見に行ったとき、若い女性たちの熱狂振りに驚いたように。
だいたい主人公に感情移入して読むほうだけど、最後の最後まで、回りの登場人物への違和感の根拠がつかめずに、引っ張っていかれ、私の感性が摩滅しているせいかしら、この小説がおかしいのかしらと、久しぶりの知らない作家のはだざわりにとまどった。
作家本人が、「ゴシック小説」と言っていて、そもそもその言葉を知らなかったので、お話にならないけれど、2回目は相当面白いだろう!5年後に生きていたら読もう。他の作品も読んでみたい。