思い出の中にずっと [家族のこと]
意訳:「新古今和歌集の部屋」自閑氏)いったい誰が花橘の香を嗅いで私を思い出してくれるだろうか。私が死んで昔の人となってしまったら
思い出の中にずっと
もう義母が死んで7年になるけれど、彼女の思い出は永遠。
初めて家を訪れたとき、お寿司の食べすぎで満腹になった私を義妹たちの勉強部屋で休みなさいと煙草盆と一緒に置いてくれた人。
腕っこきの保険屋さんなのに、寡黙な人で、およそ干渉されることは一度もなかった。自分の親とも絶対に住めなかったであろう私なのに、20年いっしょに楽しく住めたのだから。
相手に対して常に平等だった。人によって態度を変えるということはしない人だった。兄妹の育て方も上だから下だからということはなかったので、兄妹同士今でも名前で呼び合っている。
ほんとうに物欲のない人で、相当稼いだけど、お金の話は家ではほとんどしなかった。
お母さん、薔薇が好きだったな。赤い薔薇が。
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