『朗読者』を読んで★ [本]
意訳:「新古今和歌集の部屋」自閑氏)紅葉が散る時の時雨の色かと思う。私の袖は脆く溢れる涙が紅く染まっているので。
『朗読者』を読んで★
邦題「愛を読む人」のことは知っていたが、何気なく五木寛之氏の『人間の運命』の中に映画と原作の紹介が書いてあり、その文に引かれて、読むことにした。
今まで読んだどの本とも違うもので、さほど長いものではないので、すぐに読み終わったけれど、なんとも不思議な感覚の中にある。
ミステリーというわけではないのに、謎が多く感じられ、また、読み終わってもどう感じ、どう解釈するかはすべて読者次第となっている。
こうなると、とても映画は見れない、見るのが恐ろしい感じさえする。イメージが壊れるとか、そんなものではない。人に委ねるのではなく、自分で考えて答えを見つけなければという感じ。