「花の生涯~梅蘭芳」を見て [映画]
(意訳:「新古今和歌集の部屋」自閑氏)
日も夕暮れになっている鳴海潟では、漁師のひるがえる袖の方から、千鳥が鳴いている。
「花の生涯~梅蘭芳」を見て
とってもジンと来ました。芸能・文化・芸術とそれを表現するのはあくまでも人間、生身の人間にはあらゆる煩悩があるし、その煩悩があるからこそ、音楽・歌・絵画・詩となって表現されていくのだろう。
生きていくのと同時にそれを表現していくわけだから、そこには当然お金、家族、生活すべてのことが関わってくるのもまた当然だし、その時代も関わってくる。一人の表現者が、その道を極めて行く時、師弟の絆も、男女の愛も、志を同じにして闘ってきた人との考え方の相違も、戦争との関係も、簡単には解決できないものとして立ち上がってくる。
それぞれが自分の考えを主張しつつ、最後にはその人を、その踊りを歌を守るために命さえも捨てる。
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