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風格のない猫 [友だち]

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意訳:「新古今和歌集の部屋」自閑氏)暮れてゆく春の行き着く先はしらないけれど、霞の中に落ちて行くように下る宇治の柴を積んだ舟の行き先はわかります。

風格のない猫

お友だちのK子さんが飼っていた猫の中には絶対に食べ物に手を出さない風格のある猫もいれば、当然風格のない猫もいたそうです。

やっぱり拾われて来た三毛猫で、身体が小さく、いつもいるかいないかわからないような静かな猫だったそうですが、お客様が来て、歓談しながら食事をしていると、いつの間にかぴったりその客の横にいて、箸でつまんで話している客の持っているお箸から刺身のトロなどをすばやく取り、いざ口に入れようとしてないのに気づくことなどあったそうです。

俯いて、手だけさっと出して物を取る猫独特の仕草を真似るK子さんの様子がなんとも可笑しくて、まるでサザエさんの漫画を見ているようで、思わず大笑いしてしまいました。



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