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結核と藤沢周平と父 [本]

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(意訳:「新古今和歌集の部屋」自閑氏)(風が吹けば遠いところへ行ってしまう鳴海の浦の潟を思い、)恋しい人は外の男の人になってしまう片思いの私は、あなたから思われぬことに泣いている千鳥です。

結核と藤沢周平と父

お客様に教えていただいて、ラジオ深夜便の「これでしばらく生きていける〜藤沢周平文学の魅力・文芸評論家 高橋敏夫」を聞くことができた。今日は最終回で、藤沢周平の5年間の結核療養所生活(東村山・篠田病院)の話が出ていた。

私の実父は体が弱く、赤紙が来て、村の人たちに送られて兵隊に行ったものの、即日帰郷となり、恥ずかしくて家には帰れないので親戚の家に身を潜めていたと聞いている。戦後、結婚して兄と私が生まれたものの、結核がひどくなり、国立嬉野病院に長期入院した。

当時としては最新の治療方法であった充填手術をして退院して家に帰って来た時、金太郎さんをした私が、誰かが来たと玄関に走って来て、長らく見なかった父を知らない人だと思い泣き出したという話をよく聞かされた。

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久しぶりに一気読み [本]

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(意訳:「新古今和歌集の部屋」自閑氏)摂津の国の難波の春はとてもすばらしい景色で心ある人に見せたいと能因法師は歌っておりましたが、今は冬でその美しい景色は想像もできません。葦のかれ葉に寒風が渡って行きましたよ。

久しぶりに一気読み
 パソコンなんて仕事で使う以外は用がなかった時代は、家に帰って食事が終われば、くだらないなんとかワイド劇場をつい見てしまって、ああ、今日も時間の無駄をしてしまったと後悔するか、後悔はしないけどミステリー小説を一気に読んで、翌朝遅刻しそうになって勤務先に駆け込むかの毎日だった。

お気に入りはなんといってもディック・フランシスの競馬シリーズ、新刊が出るのを待ち望み、出ても単行本だと高くて買えないので、文庫化されるのをひたすら待ち望み、待ちきれなくてペーパーバックを買って読みだしたら一日に数ページしか進まないので、お金の節約になるということを発見した。

還暦を過ぎると、そんな悠長なことは言っていられない。なにしろ残された時間も考えなくてはいけないし、パソコンの前に座る時間がほとんどを占めてしまうので、本を読む時間はお風呂で半身浴をする時に限られる。また、目もしばしばしてきて、長時間は読んでいられない。(パソコンの前には長時間座っているけど)

ディック・フランシスの「祝宴」は息子さんのフェリックス・フランシスと共著とのこと。訳者も変わったけれど、読む方には全然違和感はなかった。遼君も読んだかな。

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藤沢周平作品の朗読「用心棒日月抄」月曜日夜12:15から [本]

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(意訳:「新古今和歌集の部屋」自閑氏)菊の花を手で折って見ることはいたすまい。初霜の置いたままの方が色が美しくなります。だから尚侍様も老いたと言って宮中を去ろうとしないでください。

藤沢周平作品の朗読「用心棒日月抄」月曜日夜12:15から

 お客様からの注文の電話でおしゃべりしていて、NHKのラジオ深夜便の朗読を楽しみにしているとのこと。藤沢作品は大好きなので、今夜は楽しみ。

 ラジオと言えば、まだテレビがなかった頃、九州の片田舎で祖父と二人暮らしする中学生にとって広い世界に開いている窓として唯一のものだった。大好きな朝潮の相撲に聞き入ったり、尋ね人時間には子ども心に交差する人間の運命を思ったり、「荒木一郎の空に星があるように」に聞き入る自分だけの時間がいとしかった。

その後、結婚して三回目に引っ越ししたうなぎの寝床のように、縦長の部屋のモルタルアパートで、朝ラジオを聴きながら朝食を作る毎日だったり、車で週2回新宿まで通った15年間は眠気覚ましにはラジオを聞くしかなかった。

ここ1年は、朝7:15分の「毎日ハングル講座」でお世話になっているだけで、その他に生活の中にラジオはない。今日からは一つ番組が増えました。今夜のお楽しみ。

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乙川優三郎さんの「生きる」にウルウル [本]

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(意訳:「新古今和歌集の部屋」自閑氏)
わが姫君は、御生涯に来る春は多いことですから、例え今年の桜の花が散ったとしても、また飽きるほど見ることができるでしょう。http://home.cilas.net/~jikan314/shinkokinwakashu/kanbetu/07/0713.html

乙川優三郎さんの「生きる」にウルウル

 年を取ると感性は研ぎ澄まされるどころか鈍くなり、ちっとやそっとでは驚かなくなったと思うけど、30代、40代で派遣で職を失い、住むところもないという人々の姿が写るテレビの画面には思わず吐息と涙が出てしまう。

 藤沢周平さんのは読み尽くした感じで、この頃は乙川優三郎さんの作品を読み出していますが、周平さんよりはもうちょっと暗く、厳しい感じで、少し明るくしてほしいというところも。そんな彼の直木賞受賞作の「生きる」も、ええーそんなと涙が止まらなくなってしまう。同じ文庫に収められている「安穏河原」なんか特に。
sonotano_photo2009-1-7otokawa.gif  ところで「日本語と韓国語」の中で、ハングルの泣くという言葉は原型が「ウルダ」で、日本語のウルウルとの関連に言及されていましたが、不思議ですね。

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伊丹十三と原書を読むこと [本]

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(意訳:「新古今和歌集の部屋」自閑氏)待乳山の女郎花は誰を待っているのでしょうか。秋には結婚を約束した人でもいるのでしょうか。
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 先日NHKで伊丹十三を取り上げた番組があって、生い立ちから、彼の多才ぶりを紹介していた。日本人には珍しく個の確立した人という紹介で、ほんとに面白い人だったんだなと改めて思った。

 彼の本は何冊も読んでいないけど、たまたま「女たちよ!」か「続・女たちよ!」かを読んだことがある。特に中身は覚えていないけど、一つだけそのまま実践して、ほんとだと思ったことがある。

 その中で彼は原書を読むことについてこう言っていた。彼の場合の原書はフランス語の本かもしれない。古本屋で原書を買うと、2ページ、3ページぐらいまで、赤線を引いたり、書き込みをしたり、真っ黒になるぐらいになっていて、その後は読んだ形跡がないのがよくある。

 これでは絶対に原書は読めない。読むコツは、意味が通じようが通じまいが、わかろうがわかるまいが、とにかく最後まで辞書を引かずに読みすすむことだ。

 その頃たまたま古本屋でその通りの本を見つけた。ナルニア国物語の「魔法使いと甥」だったと思うけど、確かに3ページまでは熱心に書き込みがしてあった。伊丹氏の言に従い、最後まで読もうと思ったけど、読み通せなかった。

 その後、あの超訳で有名なシドニー・シェルダンの「ゲームの達人」は最後まで読むことができた。その理由は、推理小説なので、結末を知りたい一心で最後まで読みすすんだということと、ほんとにやさしい英語で書かれていていたこと。

 そして、今更ながら日本人の生活にそれと気付かずいかに外来語特に米語が入り込んでいるかということを思い知らされた。



 それが25年前だから、コンピュータの時代に入り、今や驚異的なことになっていると思う。

そういえば、外来語を少なくすることを唱えた首相がいたような。
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酵素って何だろう
(医薬品の時代のデータから)
ビタミンB群を含有し、さらにまたそのままでデンプン分解酵素、たんぱく質分解酵素、脂肪分解酵素を含有するが、内服すれば腸内においてこの菌は糸状となって五十余種の酵素をさらに生産し、生体の新陳代謝を調整する。
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大好きなチャンドラーのマーロウで幸せな朝 [本]

2008-8-30.jpg(意訳:「新古今和歌集の部屋」自閑氏)涼しさは、これから向かわれる生の松原の海風が勝っているかと思いますが、この扇をあおいで都のことを忘れないでください。
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前日の帰りがけの大雨で、カバンは大きいビニール袋に入れて自転車の前籠に、キーホルダーは事務所を閉めた後、ズボンのポケットに入れて、ずぶ濡れで帰還。

さて、翌朝事務所について、さあ鍵と思ったら、あるはずがない。

こういうとき、連れ合いと同じ事務所というのは実に便利。駅前の喫茶店で待っているからと、これも便利な携帯で連絡して、なんとたまたまカバンの中には読みかけのチャンドラーが。

高校時代兄の影響で読み出して以来、ダシール・ハメット、レイモンド・チャンドラー、ロス・マグドナルドの大ファンになって、ほとんど読み尽したと思っていたのに、何気なくミューのオリオン書房で、短編集を見つけた。

鍵が届くまでの間、大イノベーション中の久米川駅前のサンマルクカフェとかで200円のアメリカンを飲みながら至福のひと時を過ごしたのはいうまでもありません。

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酵素って何だろう?
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『それいゆ』、『ジュニアそれいゆ』知ってます? [本]

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(意訳:「新古今和歌集の部屋」自閑氏)仮初めに来るだけだといつも恨んでいた人も、ついには途絶えてしまったのを、草葉が茂る頃となって偲んでいます。
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So-netのブログのいつも訪問する“写心”さんのブログは素敵な写真の部屋で、異空間に行ったような感じで行く度に息をのみます。今日は素晴らしいひまわりの写真で、いつも見慣れたひまわりが違う面を見せてくれています。

そして表題の「ひまわり I Girasoli」という表題を見て、昔読んだ「ジュニアそれいゆ」という雑誌のことが、ウワーッと浮かび上がって来ました。佐賀の片田舎、郡のまた、村に住んでいた私にとって、本屋さんが毎月届けてくれる『それいゆ』『ジュニアそれいゆ』は、唯一外界に開かれた窓だった気がします。中原淳一創刊のひまわり社発行の雑誌で内藤瑠根の目の大きい少年や少女のカットは今でも目に焼きついています。

でも、中にある写真も記事もお話もすべて遠い都会の話、チョコレートパフェなんて見たこともないし、スケートリンクで待ち合わせと言われてもイメージが湧かない、博多まで行けばあるかもしれないけれど。

何度も何度も同じ本を繰り返し、繰り返し読んだり、見たり。洋服の作り方が載っていれば同じように作って見たり、ああ、私も都会に出て行って、こういう生活をするんだなんて夢みたいなことを考えていました。でも今考えて見ると、回りに同じ雑誌を読んでいる人はいなくて、今でも同窓会であっても特にそれいゆのことで話題になることはありません。

後になって、義理の姉に、田舎に行ったら、屋根裏部屋に昔の『それいゆ』や『ジュニアそれいゆ』が紐でくくってとってあったけど、あれ、今古本屋さんで高く引き取るみたいよと言われ、驚いたことがあります。
それから何年か後に母に聞いたら、「ああ、あれ処分したけど」と、言われてしまいました。

最後は下世話な話になりましたが…。
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「古本 海ねこ」さんから借りました。


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うちのあご乗せ猫ハウル君です。



酵素って何だろう?

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宮部みゆきの『孤宿の人』を読んで [本]

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(意訳:「新古今和歌集の部屋」自閑氏) 汝は年老いていて、陸奥から熊野は道が遠く、距離も遙かに隔てているので、再度の参詣するのは難しいから、常に我を思い起こして祈願しなさい。そうすれば汝を我も忘れず守護しよう。
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宮部みゆきの本は好きで、特に現代ものの子どもが主人公の「取り残されて」や「マサ」シリーズ、ファンタジーもの「ブレイブ・ストーリー」も大好きだ。

たまたま、上下巻ものの『孤宿の人』を選んだのは偶然で、時代物という以外、どういう話から全く知らなかった。うさぎで始まりうさぎで終わるこの話は、最初読み出したとき、導入部はいきなりの展開になるが、その後、なんとなく、宮部さんにしてはストーリー展開がもたもたしているような気がして、ちょっと読んでは他の本という感じでなかなか進まずにいた。

幼く身寄りのない「ほう」が、江戸から金比羅参りに来て、何かの縁で四国の丸海藩の医者の家に身を寄せ、やっと落ち着いたかに見えた矢先、思いもかけないことに巻き込まれていく。あとがきに、“妖怪”の異名で知られる幕末の幕臣鳥居耀蔵が、罰を受けて讃岐丸亀藩に永預となり、明治元年に大赦を受けるまで、そこで流人生活を送ったことをモデルとしたそうです。

しかし、後で考えると、最後の展開にとって、途中までの丁寧な丁寧な描写がやっぱり必要だったんだなと納得させられた。帯に竹下景子のメッセージが寄せられているが、私はどちらかというと宇佐のほうに感情移入してしまって、最後の章は、お台場からの帰り電車の中で読むことになり、流れる涙に困ってしまって汗を拭く振りをしてタオルを顔に押し当てていました。
宮部みゆき 孤宿の人

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豪雨と虹と
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広島・長崎に原爆が落とされた日がまた巡ってきました。まだまだ後遺症に悩まされている方が多いのですね。
昨日はサッカーを見て、そのままテレビをつけていたら、「封印を解かれた写真が語るNAGASAKI 米軍カメラマンの苦悩 原爆の真実」という番組をやっていました。その写真はどこかで見たことがあると思いますが、詳しい話は知らなかったので、思わずテレビの前に座りなおし見入ってしまいました。
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酵素って何だろう?

解毒、免疫機能維持にも酵素が働いている

働き者の肝臓には2000種類以上の酵素が存在するといわれます。
肝臓は、解毒(体内の有害物質やアルコール、老廃物の分解)、糖分や脂肪分をエネルギー源として貯蔵、アミノ酸やビタミンの合成、コレステロールの生成、脂肪を消化する胆汁の分泌、古くなった赤血球を分解して鉄を取りだし再利用できるようにするなどのたくさんの仕事をしています。
これらのいくつもの仕事をとどこおりなく進めていくためにはたくさんの酵素が必要なのです。
これらの酵素がなくなれば、体中に有害物質が溜まり、細胞の新陳代謝が悪くなって働きが弱まり、免疫力が低下して生命の危険にもさらされます。

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